報告者藤本賢司
藤本・吉本・こたろ・Mさんで2月6日、河内風穴に入った。
● 目標
(1)最奥まで行く(2),2水リベンジ(3),ルートを覚える
● アプローチ
7:00京都駅集合。つなぎ姿で集合場所に現われたら、二人に非難される。ひどい話だ。現地で着替えなくてもいいんだぞ。
7:13発米原行琵琶湖線に乗って、南彦根駅へ。ここに藤森さんが車で迎えに来てくれる。あぁ車!輪行のない洞窟ってステキ。深くはないが、一面真っ白で、雪も現在進行形でぱらぱら降っていた。9時15に管理人室に着くも、管理人さんがいない。圏外なので、いったん戻ってTEL。町設置のタダでかけられる公衆電話(ただし町内のみ)があり、非常に新鮮であった。もう、出発されたとのことなので、先に行って準備して待っていると、程なくいらっしゃる。管理人さんが雪かきした道を進み洞口へ。上部にフェンスがあるにもかかわらず、洞口は雪で埋まっていて、道の両側は雪壁になっていた。入洞中に入り口が埋まってしまう場合(上から雪が落ちたり)に備え、中にスコップを残置。
● 洞
○ ルート
洞口~2水
10:00入洞。中に入ると、まず見事なつららと神秘的な氷柱の歓迎を受ける。この折ってもよい鍾乳石で一通りフェンシングごっこをし終え、奥に進む。歩道が凍っており大変危険であった。外の寒さが嘘の様に中は暖かい。暑くなってきたので、鉄柵手前でフリースを脱ぎすてる。鉄柵を越えてから左に登る。ここを右に行くと前回の轍を踏んでしまう。細めのチューブを斜め上に向かって登り、ドンガラガン(要マーク)に出る。途中に細い私道っぽいのがあるが、基本的に道なりに行けば分かりやすいし問題ない。ドンガラガンからは、観光洞の上層へ通じる下向きの穴(行っちゃだめ。観光客を驚かせてはいけない)と反対方向にボア・パッセージ(右)と広いスペース(1)(左)がある。この右のボア・パッセージがルート。この見事なボア・パッセージを、ヴァージンロードと私は名づけた。突き当たりに平たい裂け目(ヒラメ)があり、初めてきたときには、洞窟ではこんなところを通るのかと洗礼を受けたものだ。ここからも折れた手(あるいは地蔵)などの狭い隙間や空間がしばらく続き、シアターホールに通じる。ここも要マーク。出て左の方に進み、大きな一枚岩(ぬりかべ)を右手に見て、左に2本、右にやや上に登る道1本ある分岐(ぬりかべの分岐)の真ん中を行く。ぬりかべの天井にはコキクガシラコウモリの群生エリアがある。はっきり言って気持ち悪い。特徴のない穴を少し進むと、ドリームホールに到着。ドリームホールは全体としてやや登りで、始めは左よりを進み、大きな一枚岩を越えてからはやや右よりを通ると歩きやすい。ドリームホール終着からは、上1つ、下2つの穴が分かれている。上の1つは馬場門に通じ、下二つはクラックに通じる。下の細いほうは、狭いがつっぱればクラックの下部に短距離いけるのでラクなうえ楽しい。ここを使えば危険箇所のクラックを降りずにすむ。下のもう一つの穴が正規のルートで、純粋にクラックを降りるもの。前回はこれでいった。帰り道の難所、折れた前歯(要マーク)を越えると、ガマの石がある。ガマの石、上部には玉座の間に抜ける裏道が続いている。腐海を連想させるジブリ石柱1を通過すると玉座の間だ。ここもマークが欲しい。玉座の間は、正規の帰り道のジブリ石柱1を中心に、玉座から見て左に横穴一つ(1)、右にガマの石に着くやや登りの穴(裏道)一つ、玉座の背もたれの方向に降りていく穴(マジックフレークの穴)が一つ(3)、玉座の正面に向かう道が一つ、計5つルートがある。最奥へは玉座の正面のルートを行く。するとすぐに和式の穴が待ち構えている。奥に道なりに広いスペース(4)が続いているが、迷わず和式の穴に入ろう。奥の穴の対面にも斜め下に降りていくスペースがある。手前にチューブ状の垂直穴があり、ボットンという。和式・ボットン・洋式(玉座)の三つを合わせてトイレ三地点と呼ばれている。和式を降りていくと、そこが石切場になっている。ここは道なりと右に道が分かれている。右のコースが前回迷ったところ。石切場は高いところにあり、見落としやすいのでここはマークを2枚置く。上下から髭のように鍾乳石が伸びているエリアを越え、大きい岩がごろごろしているエリアを通過し、水溜りに行き着く。ここは左をへつって進む。少し行くと1水の入り口に着く(要マーク)。1水へは3つ下へ降りる穴があり、奥に向かって一番左にある穴が通称立命落とし、ここが1水へのメインルート。1水には降りずまっすぐ行くと、わりと広めの穴が続き、38の分岐に出る。ちょっとこのあたりは記憶が曖昧だ。1水~38の分岐or1水~石切のどっちかにナチュラルダンコンの分岐があったはず。この分岐も向かって右に正規ルートではない顕著な穴(5)が続き、帰り道要チェックのところだ。当然要マーク。ここのところも合わせて次回の課題。38の分岐は前回さまよって地獄を見たところで鮮明に覚えている。分岐地点のスペースは広く、右から大きめの穴が一つ(6)、小さい穴が一つ(7)、斜め上に続くボアパッセージ(8)が一つ、そして左に最も大きな横に進む穴が一つ。正解は左の穴。右の穴はいずれも、複雑につながっており、ナチュラルダンコンの分岐の右の道の方にもつながっている。このあたりは何層にも穴が入り組んでいて非常に複雑だ。この右から二つ目の穴の奥⑦に、吉本クラック、メインダンコンがある。さて、正規の左の穴を進むと、2水の分岐にたどり着く。1水・2水間は基本的に左、左が河内のセオリーらしいが、ここは右を行く。左の裂け目を行くと、天井の低い水溜りを這って2水に着くコースとなる(俗称2水への裏道)。前回はここを通りつなぎがかなり濡れた。聞けば、各探検部の新入生いびりに多用されるコースだとか。右を行き、左の壁沿いに進み、やや壁を降りて進むと2水にでる。不気味に2水へ続く細い細い穴が下に続いている。やはり、この穴はクレイジーだ。2水の穴を通過して、奥に進む。ここからは初めての道のり。よって記憶もさらに曖昧になる。
2水~最奥
ヌメリ感が増すわりと広めの穴が奥に続く。すると、左右に分かれる分岐が現れる。結果的にすぐ先でつながるのだが、左は天井が低く、鍾乳石が発達している。右は青く光る綺麗な滝のような鍾乳石が見られる。右がおそらく正規ルート。しばらく行くと、穴がせまくなり、分岐が現れたら基本的に左・左と行く。一ヶ所、左に這っていくのだがちょっとわかりにくい箇所があった。すると鐘の鳴る池に到着する。ここは河内の名所で大変美しい。池を突破して奥に行くルート(森の間に続く)と池を左に巻いて奥に行くルートに分かれている。が、森の間へのルートはロープで封鎖されていたので、左から行く。しばらくいくと、またも分岐があり(リムストーンの分岐※1)左の穴にリムストーンが発達しており、ロープで立ち入り禁止となっている。ここのリムストーンは見事だ。当然右を行くのだが、すぐ先で合流する。しばらく行くと、水溜りの分岐※2がある。これは右に小さい穴(8)と、左に池と池の奥にはロープの張られた空間が続くが、池を渡り、ロープの空間に左に続く穴を進んでいく。要マーク。またしばらく行くと、右手に群居した鍾乳石がロープで囲われ、さながら遊園地のアトラクションのようになっているところがある(森の間の分岐)。ここを右に行くと森の間。僕らは最奥を目指し、直進した。この後いくつか分岐があるも、右、右と進んだ。ここらへんは実に記憶が曖昧。穴が3層程の重層構造を呈していて、複雑に入り組んでいる。数ある穴から、一つを選んで奥に入り、12:10最奥へと到着する。最奥の上下にもそれぞれ、最奥程おくへは続かないが、穴があるらしい。藤森さん曰く、最奥手前の分岐を上に行く穴がおそらく、以前新しく発見され、イザナギプロジェクトとして測量されていた穴(9)とのこと。この辺りはさすがの藤森さんも曖昧らしい。最奥にて簡単に昼食を食べ、引き返しはじめる。
※1位置関係が曖昧で、鐘の鳴る池の手前の可能性もある
※2同様に位置関係があいまい
森の間・眠れるコウモリ
先ほどの森の間の分岐を右(帰りでは向かって左)に降りていき、さらに分岐(コウモリの分岐)を左に進んで奥にいくと、そこは鍾乳石の楽園、森の間だ。繊細な鍾乳石が天井一面に発達しているので、ヘルメットで折らないように細心の注意が必要だ。突き当たりはロープが張られていて、これ以上奥へはいけなくなる。入るとどうしても折れてしまうというのが理由。ロープを張った人間がうらやましい。もと来た穴を戻り、コウモリの分岐を向かって左に進む。しばらくぬめぬめした穴が続き、途中ずっと水がはっている。普段はこんなに水が多くなく、今日は水深が高いようだ。ここをさらに進めば鐘の鳴る池の池突破コースに繋がっている。水溜りの左をへつって少し行くと、壁に「コウモリの天然剥製」がある。壁に止まったコウモリが、水によって溶けた石灰石にうすく覆われ、さながら剥製のような姿を呈している。見ていると妙な心持にさせられる。藤本・こたろは腕のパンプと戦いながらしばし見とれていた(普段は水もなく、へつらなくても見れるらしい)。
2水
もと来た穴を引き返し、森の間の分岐にでる。さらにルート確認・マーク回収をしながら2水まで戻ってきた。まずリベンジに萌える藤本が身体を挿入。そして難なく到達。あぁ、佐目のコウモリ穴での私道探索で、いつのまにか穴レベルが上がっていたのだなぁ、しみじみ。穴と友達になることで、恐怖感はなくなるのだよ。続いて、こたろ・吉本・藤森さんと降りてくる。2水はなんというかすばらしい。入り口の細さとは対象に中の空間は雄大だ。流れる清流もすがすがしい。男3人は儀式を終え、表情が和らぐ。2水入り口から左右に分岐があり、左に行くと上流側、右に行くと下流側に出る。下流側の方が圧倒的に広く、かの水流下りの出廷地点でもあるらしい。一通り遊び終え、穴を這い上がり戻る。
1水
マークを回収しつつ、行きのルートを忠実にたどり、1水の穴に出る。立命落としを、チムニーっぽく手足をつっぱて降りていく。おりて右に進むと、1水へおりる別の2つの穴が右上のそびえている。この穴を右に見つつ、左の狭い穴を進んでいく。途中細かい穴があり、マークは必要。3枚しか持っていかず、失敗した。執拗に後ろを振り返りながら進む。すると3水の分岐が現れる。左には水溜りがあり、それを越えていくと3水。3水への道のりは遠く、濡れるコースなので今回は断念。3水の分岐を右に進み、1水に到着する。1水もかなり広く、水流も強い。少し下流へ沢登りのように流れの中を進み、探索してみた。ここも奥⑩は複雑に入り組んでいて奥まで繋がっていて、探検欲をそそられる。余りにも奥行きがあり、時間もないので適当に引き返す。
参神殿・美和ホール
穴を引き返し、立命落としから這い上がる。今までと同様に引き返し、石切場まで戻る。石切場の右(帰りは向かって左)の分岐へ、参神殿から降りてくる穴があるということなので、マークを残し、石切場を上がる。和式の中から這い出て、洋式(玉座)の方には行かず、そのまままっすぐボットンの方へ進む。当然ボットンには落ちずに、奥の穴へ進む。これが参神殿への入り口。少し行くと分岐(参神殿の分岐)でまっすぐ行く穴と、左下へ降りる穴がある。左下への穴が参神殿へと続く。この穴は落差が大きく、降りるのにてこずる。この下が参神殿。参神殿は神秘的な空間で、鍾乳石がひしめき合っている。顕著なカーテンも舞い降りていて、裏から白色光をあてると、橙色に淡く輝く。まさにカーテンのようだ。さらに薄いものを、ベーコンと呼ぶ。確かに、色合いといい質といい、ほんのり焼けたベーコンのようでもある。戻って参神殿の分岐をまっすぐ行くと、美和ホールが待っている。美和ホールは相当広いホールだが、河内にあってはシアター・ドリームのせいで見劣りしてしまう。美和ホールの突き当たりに穴が一つ⑪、その左にゆかしい穴が一つ(らせん穴)、その他にも小さな穴が複数ある。藤本・吉本待機で、藤森さん・こたろが⑪の穴を偵察。が、違う穴で引き返してくる。次に同様に、入り口がらせん状になっているらせん穴を偵察し、奥に石切場のマークを発見。この穴はどうも見覚えがあるなと思っていたら、石切場に着いて全てが氷解。前回迷って迫りくる恐怖を押しやりながら、辿った穴であったことよ。このまま、石切場を越え、残置していた荷物を回収し、地上へ戻る。出洞3:30。
● 反省・その他
・ 藤本・こたろは水を持ってこなかった。迷った事態を考えると要反省。
・ またも、藤本のカメラが泥にまみれた。現場監督が欲しい。
・ 膝サポーターは佐目に引き続きとても有用。100円でも売っているので、正式に個装に加えては?
・ 2水先が課題だが、今回でかなりルートを覚えられたと思う。もう一度、報告書に(1)、(2)で記した穴を中心にくまなく探索し、位置関係のあやふやな箇所の位置確認を行い、曖昧箇所を確実なものにしたい。次は河内私道探索プラン。
・ 前回の迷走で、かなりルートを覚えたというのも事実。
・ 名前を付けることで記憶が鮮明になるということで、穴班の勝手な思い込みと独断で、随所に名前を付けた。アンダーライン箇所が、穴班オリジナル。将来的に部での共有を考えている。ネーミングセンスに異議があれば、どしどし批判を。
・ 今回は1水を除いて、マークを分岐・不安な箇所全てに置いた。慣れてきたら置かない方が覚えるという話もあるが、迷う危険もあるし、個人的にマークを置く事で意識するので逆に覚えやすく感じる。それに置かないメリットもそれほど大きくないので、これからも基本的に置いていきたいと思う。他の人はどう思うでしょうか?
・ 帰るまでが遠足なら、洞窟はつなぎを洗うまでが洞窟。
・ 興奮してきたといって、こたろはしきりにアニソンを熱唱していた。
・ ルートやエピソードを教えて下さり、車まで出して下さったMさんには感謝感謝です。
コメントをお書きください